アイダホ:「米国ビジネスへの玄関」 ケリーアンソン:アイダホ州上院議員
ケリーアンソン上院議員について 日本との長年に渡る豊富なビジネス誘致経験を持っているアンソン上院議員(アイダホ州共和党院内総務)が、アイダホの現在の状況とアイダホでのビジネスの魅力について紹介して下さいました。
アイダホ州について
- 州人口:約180万人
- 面積:約22万㎢
- 州都:ボイシー
- 州内総生産:約9千億円
主要産業
大規模な農業:もちろん全米一のジャガイモ生産量。日本は5番目の輸出先。
製造業:食品、プラスティック、マイクロチップ、ソフトウエア
アイダホでは近年は食品産業や大規模な製造業が発展しています。豊かな自然を活かした観光業も重要な産業で、日本からの観光客にも期待しています。
日本への輸出
輸出額は約200億円。電気及び工業製品、食品及び農業、木材、紙、パルプなどを輸出。
日本からの輸入
輸入額も約200億円。電気及び工業製品、肥料、農薬、化学品、家庭及びアウトドア製品、木材、紙、パルプ印刷などを輸入。
アイダホ州の主要企業
ヒューレット・パッカード、マイクロン、Albertsons(小売)、Darigold(酪農)、Agri Beef Co(畜産)、Idaho Milk Products(乳製品)、Cliff Bar & Company(栄養バー、飲料)、Chobani(ヨーグルト乳製品加工)、McCain(冷凍食品、ジャガイモ冷凍加工)、Glanbia(スポーツ栄養、乳製品)、Melaleuca(健康食品)、Idaho National Laboratory(米国原子力研究)、 Simplot(冷凍食品、ジャガイモ冷凍加工)、Fabri-Kal(パッケージング)、Scentsy(香料)など
なぜ今アイダホへの投資か
経済成長率、人口一人当たり雇用増加率、仕事満足度(良好な生活環境)がなんと全米一です。旅行先、移住先としての人気も上昇しており、ボイシー市は近年全米で最も人口増加率の高い都市になりました。
米国西部への玄関として
物流の利便性、ビジネスフレンドリーな州政府の風土を背景に海外からの直接投資が増加中です。
物流上の利点
その1
アイダホは、低廉な不動産価格や西海岸への地理的優位性から、日本のビジネスにとって米国への玄関として魅力をもっており、州としても海外からの投資に一層力をいれているところです。
その2
オレゴン州ポートランド市890km(1日)、ワシントン州シアトル市1,000km(1.5日)、カリフォルニア州サンフランシスコ市1,080km(1.5日)など、州外の大規模消費地への距離がいずれも近いことが特徴です。アイダホ中心部から13時間あれば、米国の主要都市へ移動が可能です。
低コストの製造力、インフラ整備が進んだ交通環境で米国西部全域をカバーできる拠点をお望みであれば、アイダホは最適です。また、ジャガイモ輸送の歴史のおかげで、東海岸への鉄道輸送ルートも魅力です。
ビジネスの利点
アイダホ州は比較的小規模な都市が多い分、政府機関との連絡が非常に緊密に取れるメリットがあります。ビジネス活動の円滑化をモットーに、アイダホ州における各種規制は全米屈指の柔軟さを持ち、全米でトップレベルの優位な税制や補助金制度が設けられています。 “チャンス基金”や“貿易拡大プログラム”などはその例です。 かつてのアイダホ知事が“政府はビジネス加速の為に機能すべきであり、ビジネス成長の妨げとなるべきではない”と述べたように、政策の予測可能性が高く、各種規制が緩やかであることはビジネスの加速化に重要な要素です。これが現在のアイダホのビジネス風土です。州内各地は成長の機会を狙っており、例えば農業は、維持するだけでなく農業経済を多様化する必要性があります。地方部でも手厚い優遇措置下に多様なビジネスの機運が高まっており、経済成長を今までとは異なる次のレベルに上げる準備が整っています。アイダホに投資し自ら成長され、かつ当地の雇用を生み出す外国企業の皆様に対しては、本当に多くの補助金、税制をご用意しており、ビジネスに適した都市形成も進行中です。
アイダホ州上院議員ケリー・アントン氏のスピーチのトランスクリプト
初めに
はじめに、まず、本日は皆さまとお話する機会を頂き、誠にありがとうございました。
特に、オレゴン州ポートランド領事事務所の滋賀総領事、アイダホ州名誉領事であるエド・クロプフェンシュタイン氏からこの機会を与えられたことに感謝いたします。
まず、自己紹介から、私の名前はケリー・アントン、アイダホ州上院議員です。私はアイダホ州上院の過半数のリーダーでもあり、長年にわたって日本と交流をしてきた弁護士兼ビジネスマンです。近年、経済発展に焦点をあてております。
私はアイダホ州の代表して、日本企業がアメリカでビジネスを築くお手伝いをさせていただき、それが、私の故郷アイダホ州の発展にもつながりました。ですから、この機会は私にとってアイダホについて少しお話をする絶好の機会です。アイダホで何が起こっているのか、そしてなぜあなた方の日本の会社がアイダホ州と関係を結んでいきたいかお話しましょう。
アイダホ州について
まず、アイダホについて少しお話ししましょう。アイダホは、確かに地方の州ですが、人口約180万人の大きい州です。アイダホの面白いところは、私が「アイダホ州のからきます」というと、かならず、「ポテト」か「ジャガイモ」と返事が返ってきます。ですから、アイダホといえば、ジャガイモのことだと誰もが思うようです。
当然、アイダホ州は、アメリカ最大のジャガイモの生産地として有名ですが、他いろいろな農産物もを生産しています。また、アイダホの風景が多様であるように、経済も非常に多様です。近年発展しているのは、食品だけでなく、プラスチック、マイクロチップ、ソフトウェアなどの大規模な製造業です。
日本とアイダホにはすでに素晴らしい関係があります。日本はアイダホ州で現在5番目に大きな農産物の輸出市場です。もちろん、日本からの観光客も大歓迎です
私たちが育んでいた関係は、輸出入の面でも成長しています。日本への輸出は、約2億ドル相当、日本からは、ほぼ同じ金額、約1億6600万ドルを輸入しています。近年は、電子部品と産業部品が日本からアイダホへの輸出の主要な要因になっています。アイダホと日本の伝統的な関係のほかに、今回 皆様と共有したいさらにエキサイティングなことがあります。それは、アイダホ経済の多様性がアイダホと日本のビジネスにいくつかの素晴らしい機会を生み出したということです。アイダホの何がエキサイティングなのかをお話ししましょう。
アイダホの経済は現在、急速に発展しております。COVID-19の発生とパンデミックで数々の難しい問題が起こっているので、あまり言いたくないのですが、事実は、アイダホの経済はパンデミックを乗り越え、他のどの州よりも発展していたのです。アイダホの経済は、現在、成長率、第1位にランクされ、一人当たりの雇用率の増加、賃金も増加しています。
アイダホに住む質の高い従業員の勧誘もあり、他州から、多くの人々がアイダホに引っ越してきています。近年、アイダホ州の州都であるボイジーは、米国で最も成長している都市となりました。
アイダホ:米国でビジネスを行うための玄関口
なぜそれが重要なのですか?そして、それは日本と何の関係があるのでしょうか?
そうですね、アイダホは米国西部、そしておそらく米国への日本のビジネスの玄関口になれるということが重要だと思います。 その理由はいくつかあります。 アイダホのロジスティクス、ここのビジネス環境、そしてアイダホが外国直接投資ロジスティクスにますます焦点を合わせていることがあります。
ロジスティクスとは? アイダホには貿易港がありませんが、なぜそれがロジスティクス的に重要なのでしょうか?そしてなぜ企業はロジスティクスの観点からアイダホを利用したいと思うのでしょうか? アイダホに製造工場ががあれば、車で13時間ほどで、米国西部の主要な大都市市場に製品を納めることができます。ロサンゼルス、デンバー、ポートランド、シアトルなど主要都市をはじめ、米国西部全体に納品するインフラが整っているのです。安定した農村環境での低コストの製造を望む企業にとって、アイダホは理想的な場所だと思いますし、米国西部にビジネスを紹介する優れた起点になれるのです。
また、アイダホ州はジャガイモ産業のおかげで、生鮮食品を東海岸に届けるための効率的な輸送システムがあります。アイダホ州南部から電車で、新鮮なジャガイモですぐに東海岸に納品できます。
アイダホ:ビジネスのために設計された州
第二に、そしておそらく最も重要なことは、アイダホの特有のビジネス環境です。 アイダホが一番である理由の一つは地方の人口の少ない州だからです。ですからアイダホ州では、地方自治体、州政府、地域の経済開発機関などの間の交流が頻繁です。政府高官にも直接連絡できて物事を成し遂げるためのアクセスのしやすさは、ほとんど比類のないものです。たとえば、州南部の市長は電話を取り、すぐに知事と連絡することができます。それは私たちが官僚的形式主義に対処するのに役立ちます。
アイダホとビジネスで1位にランクされていることのもうひとつの理由は、レッドテープでの規制が少ないことにあります。 アイダホは米国で最も規制の少ない州です。低規制であるという概念は、ビジネスの成長される要素です。前知事は「政府はビジネスのスピードで機能すべきだ」と言っておられましたが、政府は、企業がビジネスをどれだけ早く成長させたいかを妨げるものであってはなりません。それが現在のアイダホの政府の主義です。
また、アイダホの農村地域で興味深いのは、彼らが開発に飢えているということです。州の農村部は、当然、農業に焦点を合わせています。しかし、農業だけに基づいた経済を多様化することも必要です。ですから、農村部には、新規事業、新規事業の多様化、そして経済成長を次のレベルに引き上げるのに積極的なのです。 外国企業を含む様々な企業も友好的なアイダホに出資し、雇用を増やし、ビジネスを成長させたいと思っています。アイダホ州では、ビジネスの成長を支援する、いくつかの助成金、税制上の優遇措置、都市再開発プロジェクトがあります。
アイダホに来る日本企業への助成金
日本にとって興味深いのは、最近の外国直接投資の機会です。アイダホ州商務省は、過去5年間で、「Select USA」と呼ばれる組織への参加によって促進された、外国直接投資の誘致に真剣に取り組んでいます。 Select USAは、米国商務省が運営する組織です。 私はSelect USAを通じて、アイダホ州およびアイダホ州のさまざまな地域との素晴らしいパートナーに成長したいくつかの日本企業にお会いました。
その優れた関係はポートランドの領事事務所によっても支援されています。ポートランドの総領事はアイダホ州の優れたパートナーであり、私たちがいくつかのビジネスチャンスを促進するのを助けてくださりました。ワシントンDCからの駐米大使の訪問も優れたリソースになりました。その関係は確立され、成長し、深まります。
日本の企業にとっても、アイダホ州と提携して米国政府の協力を得られるとと私は確信しております。アイダホ州は、日本の企業にとって最初に訪れる玄関口であり、ここから、米国西部と米国の期間全体にビジネスを拡大するできるこのです。
Business Example: The Hatsu Group
その一例が発グループです。発グループは東京の八王子に起点のあるビジネスグループです。彼らは、日本の中小企業を米国に進出される組織を開拓しています。興味深いことに、発のリーダーである創設者の鈴木氏は、最初に自分のビジネスを米国に持ち込みました。それは栄キャスティングという会社です。彼が最初に立ち寄ったのはカリフォルニアでした。彼は米国で核の冷却技術を開発しようとしておられたので、それは理にかなっておりました。ところが、彼は、私がお話したようなカリフォルニアの官僚機構と官僚主義足止めされ、カリフォルニア州は栄のような中小企業にあまり興味がないことにきずかれたのです。
アイダホの経済は家業と中小企業で成り立っています。ですから、彼がアイダホに来られた時、カリフォルニアとまったく異なるビジネス環境に遭遇されました。多くの日本企業はこの違いがよくわかっておられます。 アイダホ州が米国でビジネスの成長を促進しているため、COVIDにもかかわらず、最近多くの日本企業が訪れています。アイダホ州は日本企業の進出を応援できますので、ぜひ協力して日本企業を米国に進出させましょう。
IGEM:研究のための州のインセンティブ助成金
企業がアイダホに移転するのを支援するもう1つのツールは、「アイダホグローバル起業家ミッション」です。栄キャスティンググループが実際に活用した機会のひとつである「IGEM」と呼んでいます。 IGEMは、アイダホの大学と、アイダホ企業、米国企業、および特定の外国企業と提携して新技術を開発および商品化することを奨励するプログラムです。 IGEMはその研究に資金を提供するので、米国でのビジネスの成長と仕事の成長に貢献します。栄キャスティングは、これらの賞の1つを受賞しました。
アイダホ州には、とりわけ核技術を研究および開発するアイダホ国立研究所があります。栄キャスティングは、核廃棄物を安全に冷却保管する新しい方法を研究しています。商業化すれば大成功だと思います。そのため、2017年に栄キャスティング社はアイダホフォールズ市に会社を出し、アイダホ大学およびボイシ州立大学と提携して237,000ドル以上の助成金を獲得しました。栄の仕事は現在、進行中ですが、それはアイダホと日本のビジネスが成功した、ほんの一例にすぎません。私はこのような機会をもっと増やしたいと思っています。
まとめ
日本企業の最初の立ち寄り地として、私たちは米国への玄関口を見られたいと思っています。アイダホ州でのビジネスを検討している場合は、総領事館、私のオフィス、アイダホ州商務省などと協力して、機会をより詳細に説明できることを願っています。私たちはあなたと一緒に働きましょう。私たちはパートナーになりたいです。
アイダホ州にどのような機会があるのか、そして私たちがどのようにあなたのビジネスの玄関口になることができるのかについて少しだけ共有できたこの機会に感謝します。
どうもありがとうございました。
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